会社の健康診断で「心房細動」と診断され、26年7月にカテーテルアブレーション手術を受けることになりました。
初診から手術が決定するまで、複数の病院で様々な検査を行いましたが、結論から言うと術前までにかかった医療費の総額は約3万円でした。
この記事では、そこに至るまでの詳しい経緯や、エコー検査・造影CT検査の感想をまとめています。 「自覚症状がないのに手術が必要なの?」「紹介状をもらった後の流れは?」と疑問に思っている方は、ぜひこのまま読み進めてみてください。
会社の健康診断で「心房細動」発覚|治療を決意するまでの経緯
数年連続の「要精密検査」を放置し続けた日々
実はここ数年、会社の健康診断で心電図をとるたびに「心房細動」と指摘されていました。毎回しっかり紹介状までもラっていたのですが、心電図以外の数値は健康そのもの。それを理由に、ずっと病院へ行くのを放置していました。

心房細動の患者の約4割は「自覚症状がない」と言われているそうですが、私もまさにその一人です。 強いて言えば「ふくらはぎや足首周りが少しだるいかな?」と感じる程度で、日常生活には全く支障がありませんでした。
ただ、左手首の脈に指を3本当てて検脈してみると、トトト…と一定ではなく、明らかに不規則に打っていることには以前から気づいていました。
タバコも酒もやらないのに、なぜ?
心房細動の原因には様々なものがあるようですが、私はタバコも吸いませんし、お酒も一切飲みません(飲めません)。 自分なりに心当たりを探してみたものの、強いて挙げるなら「カフェインの摂りすぎ(コーヒーの飲みすぎ)」くらいしか思い当たりません…。
「果たしてこれが原因なのだろうか?」と疑問に思いつつも、明確な不調がないことを言い訳に、見て見ぬふりをしていたんですよね。
ついに会社から直接指導が入る
そんな生活を続けていた今年(2026年)、ゴールデンウィーク明けの5月中旬のことです。 ついに会社の総務から呼び出され、「心房細動の治療をちゃんとしなさい」と直接指導が入ってしまいました。おそらく、産業医の先生からの強い指摘があったのだと思います。
「さすがにこれ以上は逃げられないな…」と観念し、5月中旬に地元の循環器内科を受診。ここから、心房細動の治療が本格的にスタートしました。
地元の循環器内科(2026年5月 / 1回目の受診)
会社で受けた健康診断の結果と、同封されていた紹介状を提出し、まずは血圧測定と心電図検査を行いました。その後、診察室で先生から告げられたのは次のような内容でした。
- すでに慢性化しているため、薬だけで治すのは難しい
- 心房細動は、何もしていなくても脳梗塞のリスクが「2%」ある
- 根本的に治すなら手術。若い今のうちに「カテーテルアブレーション」を受けた方が良い
- 運良く、車で15分ほどの市立病院にアブレーションの権威の先生が赴任してきている
ここで簡単なカテーテルアブレーション手術の説明を受けました。 「車で15分という近所の病院で、しかも権威の先生に診てもらえる」というこれ以上ない好条件を提示された瞬間、正直なところ「あ、これはもう逃げ場がなくなったな…」と腹をくくりましたね。
手術に向けた事前準備と血液検査
心房細動患者の脳梗塞リスクを評価する「CHADS₂スコア」という指標があるのですが、私の場合はスコアゼロでした。本来スコアが1.9未満であれば薬は出ないそうなのですが、「手術を前提とするなら、今から血液をサラサラにする薬を飲んで血栓を予防しておきましょう」とのことで処方されることに。
最後に、甲状腺に異常がないか確認するための血液検査(結果は次回)を受け、薬局で薬を受け取って帰宅しました。
【1回目の医療費】
- 診察・検査料: 3,550円
- 薬代(エリキュース28日分): 4,010円
薬を飲んで実感した「やっぱり病気だったんだ」というショック
処方された抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)「エリキュース(朝晩1錠)」を飲み始めた翌日、驚くべき変化がありました。 あんなにだるかった足元が、スッと軽くなった感覚があったのです。
これまで、いくら生活習慣を改善しようと努力しても全く良くならなかった足のだるさが、薬を飲んだ途端に改善した事実。これには驚愕すると同時に、「あぁ、やっぱり自分は病気だったんだ…」と、今さらながらショックを受けました。
地元の循環器内科(2026年5月 / 2回目の受診)
1週間後、血液検査の結果を聞くために2回目の受診へ。 気になっていた甲状腺などの異常はなく、血液検査の結果は「異常なし」でした。
前回の診察で覚悟は決まっていたので、先生に「手術を受けたいです」と正式に意思を伝え、アブレーションの権威がいるという市立病院への紹介状を書いていただきました。この日の診察はこれだけで終了です。
【2回目の医療費】
- 診察料(紹介状作成費など含む): 1,140円
市立病院の初診と本格的な検査(2026年5月)
紹介状を書いてもらった市立病院への初受診日。 必要な持ち物は「マイナンバーカード」と「紹介状」のみでスムーズに受診できました。
この日は初診ということで、先生からの詳しい説明と術前検査が行われました。
- 手術(カテーテルアブレーション)の説明: 2泊3日の入院で済むライトな手術で、なんと退院の次の日から仕事復帰が可能とのこと
- 当日の検査内容: 採血、心電図、心エコー(超音波)検査
- 検査後の診察(結果説明): 「心房細動の波形は出ているが、それ以外は特に問題なし」との診断でした。
実はその場で手術日の予約も取れそうだったのですが、仕事の調整や職場の総務・上長への報告が必要だったため即答は保留に。一旦会社に詳細を報告し、次回の診察(6月11日)で正式な手術日程を決めることになりました。
【市立病院(1回目)の医療費】
- 診察費(検査代含む): 8,690円
- 薬代(エリキュース7日分): 1,430円
気になった血液検査の結果を調べてみた
先生からは「問題なし」と言われたものの、後から検査結果の用紙を見て個人的に気になった数値があったので調べてみました。

まず、CPK(クレアチンキナーゼ)が「226」と基準値より高めでした。これについては先生から「肉体労働をしている人にはありがちな数値なので大丈夫」とフォローがありました。
また、血中CPK値は激しい運動、肉体労働、こむら返り、筋肉注射、点滴漏れ、外科手術後、小児では採血時の大騒ぎなど、疾患によらない筋組織の損傷でも上昇します。
そしてもう一つ、先生からは特に言及がなかったものの「NT-proBNP」という心臓の負担を示す数値が高かったのが気になり、自分なりに調べてみました。
N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)検査による心不全診断の精度が、AF(心房細動)のない患者と比較して低下することが明らかになった。AFを有する患者では、NT-proBNP値が全体的に上昇しており、診断の不確実性を生じさせる。
なるほど、心房細動を患っているとベースラインとしてこの数値が高く出やすい傾向があるようです。少しホッとしました。
エコー(超音波)検査の結果と、見つかった合併症
続いて、心エコー検査の結果です。こちらも先生からの特段の指摘はなかったのですが、専門用語が並んでいてかなりビビったので徹底的に調べました。

まず気になったのが「下大静脈弁」というワード。
下大静脈弁(かだいじょうみゃくべん、ユースタキオ弁)は、下大静脈と右心房の接合部にある静脈弁である。イタリアの解剖学者、エウスタキウスによって初めて記述された。胎児循環の遺残で、出生後は生理学的な役割を持たない。
調べてみると、大人になってもひも状や膜状の「名残」として右房内に残り、エコー検査でひらひらと動いて見える人が一定数(数%程度)いるとのこと。悪さをするものではないらしく、これは大丈夫そうです。
そして一番気になったのが、診断名に書かれていた「僧帽弁閉鎖不全症(軽症)」と「三尖弁閉鎖不全症(軽症)」という2つの症状です。
僧帽弁閉鎖不全症の発生初期はほとんどのケースで自覚症状はありません。(中略) 心房細動の症状が併発する場合、脳梗塞を引き起こす可能性があります。脳梗塞は生命に関わる病気です。僧帽弁閉鎖不全症の症状が出ていない場合でも、心房細動の症状があるならば速やかに病院を受診すべきです。
前述の二次性三尖弁閉鎖不全症は、その原因となっている病気の治療で三尖弁閉鎖不全症も改善することが多いため、通常は手術の適応にはなりません。
調べてみて確信しました。これ、放置していたら絶対にダメなやつです。 どちらの弁の不具合も、根本的な原因となっている「心房細動」を治療することで落ち着く可能性が高い(二次性のもの)ようなので、今回アブレーション手術を決断して本当に良かったと思います。
5月に会社の総務から「心房細動を治せ!」と呼び出された時は、正直「うざいなぁ…」と思ってしまいましたが、今となっては重い腰を上げさせてくれた会社に心から感謝しています。
手術日程の決定と会社への復職手続き(2026年6月)
会社への報告と調整を終え、2回目となる市立病院の診察へ臨みました。 この日の診察で手術と入院の具体的なスケジュールが正式に決定しました。
- 入院・手術日程: 7月1日(水)~7月3日(金)[2泊3日]
- 事前の追加検査(CT撮影): 6月29日 15:00~

診察室では、手術の具体的な進め方に加えて、起こり得るリスクについてもしっかりと説明を受けました。事前の説明があるからこそ、心の準備が整います。
復職に必要な「診断書」はいつもらえる?
会社(総務・上長)に事前に相談した際、「退院して復職するにあたっては、医師の診断書を提出してください」と言われていました。
「診断書って、退院してから発行を待つとなると数日タイムラグができるのかな…?」と少し心配だったのですが、先生に確認したところ、なんと「退院と同時にその場で出せますよ」とのこと! これで会社への手続きもスムーズに進められそうで、ホッと一安心しました。
仕事をしながらカテーテルアブレーション手術を受ける方は、あらかじめ会社の総務に「復職時の診断書の要・不要」を確認しておき、最初の段階で病院に伝えておくとスケジュールが狂わなくておすすめです。

その後は、入院生活に関する詳しい説明を受け、必要な書類一式を受け取って帰宅しました。
【市立病院(2回目)の医療費】
- 診察料: 1,190円
- 薬代(エリキュース20日分): 2,980円
手術前の関門「造影CT検査」(2026年6月)
入院を2日後に控えたこの日、最後の術前検査となる「造影CT検査」を受けてきました。
15:00の予約に対して14:50に受付を済ませ、予定通り15:00ぴったりにスタート。平日のこの時間帯は、比較的空いているのでスムーズで助かります。
まずは血圧を測定し、右腕に造影剤を注入するための点滴ルートを確保します。 検査自体は2ステップに分かれていました。
- 前半(約10分): 造影剤を入れない状態での通常のCT撮影
- 後半: 造影剤を投入してのCT撮影
体がカッと熱くなる?噂の造影剤を初体験
看護師さんや先生から前もって説明は受けていたのですが、造影剤が体に注入された瞬間、喉の奥や手先、指先がカッとめちゃくちゃ熱くなりました。 「おぉ、これか…!」と一瞬身構えましたが、10秒ほどでスーッと熱さは収まり、特に痛みなどもありませんでした。

撮影は15:20頃にはすべて終了。 検査後の過ごし方については以下のような制限がありましたが、特に吐き気やアレルギー反応などの副反応が起こることもなく、無事にクリアできました。
- 水分摂取: 15:45(検査終了25分後)からOK
- 食事: 16:15(検査終了55分後)からOK(軽い水分摂取で吐き気がないことを確認後)
診察はわずか3分!無事に手術決定へ
検査終了後、今回のCT画像をもとに担当医からの結果説明(診察)がありました。 結果は異常なしでした。
異常がなさすぎたため、診察室に入ってからわずか3分ほどで診察は終了しました。 これで7月1日からのカテーテルアブレーション手術を予定通り受けられることが正式に確定。いよいよ明後日から2泊3日の入院生活がスタートです。
【市立病院(3回目)の医療費】
- 診察料: 8,310円
手術前までにかかった医療費の総額まとめ
さて、ここまでが「心房細動の発覚から手術直前まで」の経緯です。手術後まで1ページでまとめるつもりだったのですが、長くなったので手術前後で切りたいと思います。
最後に、ここまでの通院や事前検査でかかった医療費の総額をまとめておきます。
【手術前までの医療費総額】
- 地元の循環器内科(2回分): 8,700円
(診察・検査料 4,690円 + 薬代 4,010円) - 市立病院(3回分): 22,600円
(診察・検査料 18,190円 + 薬代 4,410円)
合計:31,300円(3割負担)
まだ手術費用は含まれていませんが、初診から事前のCT検査までを含めると、約3万円ほどの出費となりました。これから心房細動の治療を始める方は、まずはこれくらいの事前費用がかかるという目安にしてみてください。
おわりに:いよいよカテーテルアブレーション手術へ
健康診断の「要精密検査」を数年間放置し続け、会社から直接指導されて渋々始まった私の治療でしたが、色々と検査をしていく中で「やっぱり放置しちゃダメな病気だったんだな」と心から実感しました。
いよいよ、2泊3日の入院生活と「カテーテルアブレーション手術」本番を迎えます。
次回の記事では、実際の手術は痛かったのか?入院生活の様子はどうだったのか? そして皆さんが一番気になっているであろう「高額療養費制度を利用したあとの、最終的な手術費用の総額」について、包み隠さずレポートしたいと思います。

