トルネコの大冒険 不思議のダンジョンと公式ガイドブックの感想
トルネコの大冒険 不思議のダンジョンの感想
トルネコ3アドバンスとトルネコ2アドバンスを経由して、原点かつ諸悪の根源であるトルネコ1にたどり着きました。「1993年に発売され、ローグライクゲームを世に広めた金字塔」という歴史的な評価は揺らぎようがないものの、歴史的な評価と現代から見たゲームの面白さは別物。あくまで「古典」であって、それ以上でも以下でもないというのが個人の感想です。
一番の問題は「不思議のダンジョン」と「もっと不思議のダンジョン」がほとんど差別化されておらず、出現モンスターが28F以降全く変化しない点。製作陣もここまで「もっと不思議のダンジョン」をやり込まれるとは想定してはいなかったんだと思う。現代の「もっと不思議のダンジョン」を期待すると、間違いなく肩透かしを食らいます。
というのも、公式ガイドブックに掲載されている中村光一氏の寄稿によると…。
「トルネコの大冒険」は、皆さんが知っているRPGとはまったく違います。私自身RPGと呼んでいいのかどうかもわかりません。
制作陣が作ろうとしたのはRPG自体ではなく、RPG(ドラクエ)をベースにしたローグライクゲーム。トルネコ1にRPG的なものを求めすぎるのは、お門違いもいいところ。
では、トルネコ2・3になくて、トルネコ1にあるものといえば、システムの単純さやアイテムとモンスターの少なさからくる、より強いボードゲーム感だと思う。「原点」なのだから、トルネコ1が一番ローグライクゲーム本来のコンセプトに近いはずで、シンプルさや詰将棋感を求める人は、トルネコ2・3よりトルネコ1のほうが楽しめるはず。RPG的な要素を求めるなら、トルネコ2や3を選べばいい。もちろん、トルネコ2や3も、このトルネコ1があってこそなんですけどね。
ちなみに、トルネコ1の"もっと不思議のダンジョン"は、「クリアぐらい余裕だろ」と思って挑戦すると難しく感じ、難しさに期待すると簡単に感じる、ぐらいの難易度。自分は挑戦7回目で初踏破しました。経験者でも早く終わらせようとすると結構苦労しますよ。
トルネコの大冒険 不思議のダンジョン 公式ガイドブックの感想
初版はソフトの発売日から約3ヶ月後の1993年12月25日。184ページ。定価は990円。制作はエニックス。
攻略本とムックを足して2で割ったような非常に凝った作りになっているが、攻略本としては非常に見づらい。ただ、見づらいだけで、必要なデータや攻略テクニックは一通り網羅されている。
公式ガイドブックの終章を飾る中村光一氏の特別寄稿は、たった4ぺージではあるものの、歴史的な価値がありそう。