教習項目11:駐車と停車
駐車と停車の意味
駐車
客待ち、荷待ち、人待ちによる停止。
5分をこえる荷物の積み下ろしのための停止。
故障などによる停止。
運転者が車から離れていて、すぐに運転できない状態での停止。
停車
人の乗り降りのための停止。人の乗り降りのための停止は、時間に関係なく停車。
5分以内の荷物の積み下ろしのための停止。
運転者がすぐに運転できる状態での停止。
「5分以内」で停車になるのは、荷物の積み下ろしだけ。
5分以内の客待ち、荷待ち、人待ちは全て駐車。
駐車、停車の禁止と例外
駐停車禁止の場所であっても、赤信号や危険防止のためやむを得ない場合は、駐停車することができる。
駐停車禁止の場所
- 「駐停車禁止」の標識や標示(黄色の実線が引かれている歩道)のある場所
- 軌道敷内
- 坂の頂上付近・こう配の急な上り坂・こう配の急な下り坂
- トンネル(車両通行帯の有無に関わらず駐停車禁止)
- 交差点と、その端から5メートル以内
- 道路の曲がり角から5メートル以内
- 横断歩道や自転車横断帯と、その端から前後5メートル以内
- 踏切と、その端から前後10メートル以内
- 安全地帯の左側と、その前後10メートル以内
- バス、路面電車の停留所の標示板から10メートル以内(駐停車禁止なのは運行時間内だけ)
駐停車禁止場所の覚えかた
とき坂 こまお 不安定
「こまお」は5m以内。「不安定」は10メートル以内が駐停車禁止。
- と…トンネル
- き…軌道敷内
- 坂…坂の頂上付近・こう配の急な坂
- こ…交差点
- ま…曲がり角
- お…横断歩道と自転車横断帯(前後5メートル)
- ふ…踏切(前後10メートル)
- あん…安全地帯(前後10メートル)
- てい…停留所
駐車禁止の場所(停車は可)
- 「駐車禁止」の標識や標示(黄色の破線が引かれている歩道)のある場所
- 火災報知機から1メートル以内
- 駐車場、車庫などの出入り口から3メートル以内
- 道路工事の区域の端から3メートル以内
- 消防用機械置き場、消防用防火水そう、これらの道路に接する出入り口から5メートル以内
- 消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置や、消防用防火水そうの取り入れ口から5メートル以内
駐車禁止場所の覚え方
一家 皆で ご焼香(1火 3出 5消・工)
- 1火…1メートル以内:火災報知機
- 3出…3メートル以内:(駐車場などの)出入り口
- 5消・工…5メートル以内:消防関係と工事関係
消防関係は5メートル以内だが、火災報知機は1メートル以内なので注意。
無余地駐車の禁止
原則
駐車するときは、(道路の幅ではなく)車の右側に3.5メートル以上の余地が必要。
標識により、駐車余地が指定されている道路では、(道路の幅ではなく)その余地が取れないときは駐車してはいけない。
例外
運転者がすぐに運転できる状態での荷物の積み下ろしや、傷病者の救護のためやむを得ないときは、例外として駐車することができる。
標識による駐停車可
「駐車可」や「停車可」がある道路では、駐停車禁止場所や駐車禁止場所であっても、駐車や停車をすることができる。
駐車と停車の方法
歩道や路側帯のない道路
車道の左端に沿って止める。左側に歩行者のための余地はいらない。
歩道のある道路
車道の左端に沿って止める。車道外側線がある場合でも、車道の左端に沿って(車道外側線の中に入って)止める。
歩道のある道路の車道の端に引かれている白い実線のこと。車道外側線と歩道の間も車道として扱われる。
路側帯の幅が0.75m以下の場合
車道の左端に沿って止める。
路側帯の幅が0.75m以上の場合
路側帯の中に入り、車の左側に0.75m以上の余地をあけて止める。
路側帯が駐停車禁止路側帯や歩行者用路側帯の場合
路側帯の幅が0.75m以上であっても、
白い実線と白い破線の路側帯…駐停車禁止路側帯
白の実線2本の路側帯…歩行者用路側帯
がある場所では、路側帯の中に入らず、車道に沿って止める。
その他の場合
高速道路
路側帯の中に入り、道路の左端に沿って止める。
一方通行の道路
左側に沿って止める。右側に止めてはいけない。
二重駐停車の禁止
道路に平行して駐停車をしている車に並んで駐停車してはいけない。人の乗り降りだけであっても、二重駐停車は禁止。
標識・標示
標識や標示により駐停車の方法が指定されているときは、その方法に従う。
駐車時間の制限など
長時間駐車の禁止
道路を車庫代わりに使用してはいけない。
道路上に駐車をする場合、特定の村の区域内の道路を除き、同じ場所に、
昼間…12時間以上
夜間…8時間以上
連続で駐車をしてはいけない。
時間制限駐車区間での駐車の方法など
パーキングメーターがあるときは、駐車料金を入れ、ただちに作動させる。
パーキングチケット発給設備があるときは、駐車料金を入れ、ただちにチケットの発給を受ける。パーキングチケットは、駐車している間、車の前面の見やすい場所に内側から貼っておく。
表示時間をこえて駐車をしてはいけない。
高齢運転者等専用場所などでの駐車、停車
駐停車禁止場所や駐車禁止場所であっても、標識により標章車に限って駐停車が認められている場所がある。
この場所に駐車する場合は、専用場所駐車標章を前面のガラスの見やすい場所に掲示しなければならない。
標章を受けていない人は、駐車や停車をしてはいけない。
専用場所駐車標章
以下にあたる人に限り、公安委員会に申請をして標章の交付を受けることができる。この標章を掲げた車を標章車という。
- 70歳以上の高齢運転者
- 聴覚障がいがあることを理由に、免許に条件がある運転者
- 肢体不自由であることを理由に、免許に条件がある運転者
- 妊娠中または、出産後8週間以内の運転者
違法駐車に対する措置
車輪止め装置と車輪止め標章
「車輪止め装置取りつけ区間」に違法駐車すると取りつけられることがある。
取りつけられた場合は、管轄の警察署に連絡をする。勝手に取り外してはいけない。
放置車両確認標章
交通事故防止のため、その車の使用者や責任者は、自分で取り除くことができる。
放置違反金を期限までに納付しないと、検査時に自動車検査証(車検証)が受けられなくなる。
車から離れるための措置
危険防止のための措置
四輪車の場合
- ハンドブレーキを引き、エンジンを止める。
- MT車は、平地や下り坂ではバック、上り坂ではロー(1速)に入れる。AT車は、場所に関係なくPに入れる。
- 坂道では輪止めをする。
二輪車の場合
- 平坦で固い路面の場所を選ぶ。
- センタースタンドを使って立てる。サイドスタンドを使うときは、ギアをローに入れ、ハンドルを左に切っておく。
盗難防止のための措置
四輪車の場合
- エンジンを止め、エンジンキーを携帯する。
- 窓を確実に閉め、ドアをロックする。
- ハンドルロックや盗難防止装置があれば、それを作動させる。
- 貴重品などを持ち出さない場合は、トランクに入れて施錠する。
二輪車の場合
- ハンドルをロックし、キーを抜き取る。
- サイクルロックなどを使って施錠する。
保管場所の確保
保管場所の確保
二輪自動車を除く自動車を所有する人は、自動車の使用の本拠から2キロメートル以内の、道路以外の場所に自動車の保管場所を確保しなければならない。
自動車の保管場所は、他人の私有地であっても、承諾を得ることができれば保管場所として登録することができる。
二輪自動車には保管場所を届け出る法的義務はないが、道路以外に保管する必要がある。
保管場所証明書
軽自動車や二輪の自動車を除く、自動車の新規の登録や本拠の位置を変更する場合は、警察署長から保管場所証明書の交付を受け、陸運支局に提出しなければならない。(ただし、特定の村の区域を除く)
保管場所証明書の交付を受けるのは警察署長から。提出するのは陸運支局。
軽自動車の保管場所の届け出
軽自動車を購入したり、譲り受けたりした場合や保管場所を変更したときは、保管場所の位置を管轄する警察署長に、保管場所の位置などを届け出なければならない。(ただし、特定の村の区域を除く)
保管場所標章
保管場所証明書の交付を受けたときは、警察署長から保管場所標章が交付される。
保管場所標章は、自動車の後面ガラスなどに貼りつけて表示しなければならない。