教習項目7:安全な速度と車間距離
最高速度
最高速度の遵守
どんな状況であっても、法定速度や規制速度を1km/hでもこえて運転してはいけない。
規制速度と法定速度
規制速度
標識や標示によって最高速度が指定されている場合の最高速度。
法定速度
標識や標示によって最高速度が規制されていない場合の最高速度。
原動機付自転車…30km/h
その他の自動車…60km/h。貨物自動車や大型自動車、普通二輪車も同様
故障車などをロープやクレーンなどでけん引する場合…30km/h
規制速度と法定速度が違う場合
規制速度と法定速度を比べて、低い方に従う。例えば…
原動機付自転車で規制速度が40km/hの道路を走行するとき…30km/hをこえてはいけない。法定速度に従う
原動機付自転車で規制速度が20km/hの道路を走行するとき…20km/hをこえてはいけない。規制速度に従う
速度と停止距離
空走距離・制動距離・停止距離
手ぇ臭ぇ
てぇ(し距離)=く(うそう距離)+せぇ(どう距離)
空走距離
運転者が危険を感じてから、ブレーキをかけ、実際に効き始めるまでに車が走る距離のこと。
制動距離
ブレーキがきき始めてから、停止するまでの間に車が走る距離のこと。
停止距離
空走距離と制動距離を足した距離のこと。
普通乗用自動車の速度による停止距離の違い
空走距離は、速度に比例する
…速度が2倍になれば、空走距離は約2倍。速度が3倍になれば、空走距離も約3倍。
制動距離は、速度の2乗に比例する
…速度が2倍になれば、制動距離は約4倍。速度が3倍になれば、空走距離は約9倍。
空走距離6m+制動距離3m=停止距離9m
空走距離11m+制動距離11m=停止距離22m
空走距離17m+制動距離27m=停止距離44m
さらに停止距離が長くなる場合
運転者の疲れ
判断が遅くなり、空走距離が長くなる=停止距離も長くなる。
雨に濡れた道路を走る場合 / 重い荷物を積んでいる場合
制動距離が長くなる。空走距離は変わらない。
路面が雨に濡れ、タイヤがすり減っている場合
停止距離は、乾燥した路面でタイヤの状態がよい場合に比べ、2倍程度に伸びることがある。
安全な速度と車間距離
安全な車間距離は、停止距離を目安に考える。停止距離が長ければ長いほど(=進行速度が速ければ速いほど)、車間距離は多くとる必要がある。
乾いた舗装道路の場合、30km/h~60km/hで走行中の安全な車間距離は、速度計の数字から15を引いた距離(m)以上。
ブレーキのかけ方
四輪車
ブレーキをかけるとき
最初から強くかけずに、できるだけ軽くかける。それから必要な強さまで徐々にかけていく。
ポンピングブレーキ
ブレーキは数回に分けてかける。道路が滑りやすいときは特に効果的。
ブレーキ灯が点滅するので、後続車への合図になり、追突防止にもなる。
急ブレーキの禁止
危険をさけるときなどのやむを得ない場合以外は、急ブレーキをかけてはいけない。
MT車での急ブレーキ
MT車でやむを得ず急ブレーキをかけるときは、エンジンブレーキを効かせるためにも、ブレーキペダルと同時にクラッチペダルを踏まずに、ブレーキペダルだけを先に踏む。
そもそも、無暗にブレーキを使わない
なるべくアクセルの操作で徐々に速度を落としてから、止まるようにする。
二輪車
身体は垂直に、ハンドルを切らない状態で、スロットルを戻しエンジンブレーキを効かせながら、前後輪のブレーキを同時にかける。
高速ギアからローギアに入れると、エンジンを痛めたり、エンジンブレーキの効きすぎにより転倒したりする可能性があるので、順序良くシフトダウンする。
徐行
徐行の定義
徐行とは、車がすぐに停止できるような速度で進行すること。
一般的には、1m以内で止まれる速度で、10km/h以下だといわれている。60km/hから20km/hに落としたとしても、徐行したことにはならない。
徐行すべき場所
「徐行」の標識があるところ
…どんな状況であっても、この標識がある場所では徐行しなければならない。
左右の見通しがきかない交差点
…ただし、交通整理が行われている場合や優先道路を走っている場合は徐行しなくてもよい。
道路の曲がり角付近
…見通しがよくても悪くても徐行。
上り坂の頂上付近 / こう配の急な下り坂
…こう配の急な上り坂は徐行すべき場所ではない。
魔女クミコ
- ま:曲がり角
- じょ:坂の頂じょう付近
- ク:下り坂
- ミ:見通しの悪い
- コ:交差点